
1.アオイ科の自家採取
~オクラ・綿(綿花)~
アオイ科は、人工授粉などの必要なく風媒・虫媒による高受粉で実を結ぶ為、 早摘みをせずに成熟した実莢が枯れてくるまで待つだけの、比較的簡単な自家採取ができます。
種子の概要
アオイ科種子の概要と自家採取の要点を下記にまとめてみました。
- レ ベ ル
- ★☆☆☆☆(選定から採取過程を5段階に分けて難易度評価)
- 分 類
- アオイ科
- 種子寿命
- 5年(適正保存環境で示す年数なので状態により変化します。)
- 休眠期間
- なし
- 光反応性
- 嫌光性
- 採取要点
- 枝に付けた状態で実莢が枯れてくるまで待ちます。
- 枯た莢は雨に晒されず莢が弾ける前に摘み取ります。
- 収穫初期は避けて最盛期に自家採取を行います。
- 早熟採取(摘果)してもタネが未成熟の可能性があります。
- 収穫晩期の自家採取は避けたほうがいいです。
- 保存条件
- 遮光(暗所)
- 湿潤厳禁
- 冷所
補足事項
オクラは莢を収穫せずに放置しておけば勝手にタネが出来上がってしまいますが、 厳密には育ち方や実の付き方次第で成熟するタネの質が変わってきます。
オクラについても、そのほかの自家採取選株の選別対象の例に漏れず生育旺盛な株を選んでおくわけですが、 その丈夫な株でも、晩期になってくるとタネがきるものの、莢の中に出来る種は最盛期よりも小さくて少々軽くできあがってしまうようです。
嫌光性種子なので採光を避けるとともに水分を与えないように保存します。 沈殿選別する利点は、間引く確率を低く抑えることができ、 タネの絶対保存料を確保できて質を上げることになるばかりか、選別して別々に保管しておけば、 直播きを終えた後に周囲に播いて囮苗として育てることも可能かもしれませんね。
1-1.オクラの自家採取
- 1.追熟果(莢)の摘み取り
莢が枯れてた状態の儘にしておくと莢が開きかけて種に水分を与えてしまうので、雨ざらしになる前とか莢がはじける前に収穫して中の種を取り出します。
- 2.タネの取り出し
保尊は莢ごとでもいいのですが、湿気を吸い易くなり嵩張るので莢から取り出します。
- 3.沈殿選別
水を張ったボウルに種を入れます
- 4.未熟種の分離
乾燥していると気泡がタネのまとわりついて中々沈みませんが、手で軽く撹拌して、 水の揺らぎがなくなると熟した種は沈み未熟な種は浮いてきます
- 5.未熟タネの取り除き
浮いた種を摘み上げて何度も水に落としても一度は沈みますがすぐに浮かぶので、 水面に浮いたタネを取り除きます。沈んだタネは、笊で濾して取り出し、日陰干しで乾燥させてから乾燥剤と一緒に入れて保管します。
- ◆参考◆莢の形状と種子の比較)
収穫晩期で収穫遅れを其の儘タネにしてしまうことがよくありますが、 大きさの違う莢を摘み取り、タネの状態を比較してたところタネの数も大きさも異なり、 沈殿選別すると浮き上がるタネの量が多く感じられます。
※画像をクリックして拡大できます
1-2.ワタの自家採取
- 1.開花
綿は同じアオイ科のケナフやオクラに煮た花を咲かせ、1日で萎れてしまいます
- 2.斉院の成熟
花が落ちるとやがてつぼみのような三角円錐の莢が形成されます。
- 3.追熟
莢が枯れると同時に先端から開く莢が開いて綿毛が膨らみ始めます。
- 4.収穫
莢が完全に枯れて来ると綿毛が膨さらに膨張してくるので、その時点で摘み取ります。
- 5.
枯れた莢の額は種を取り出すときに砕けて絡みつくので取り外しておきます。
- 6.
綿毛の包まれているタネをあ探り出して、種の周囲についている綿毛を剥ぎ取り、綿毛とタネを別々に保管します。
綿毛が出来上がると自然に膨張してくるので、それまで待って収穫しないとタネが未熟となるばかりか綿の質も劣ります。